伏見を楽しんだ後、予定していた清水寺へ向かう。清水寺は駅から出てしばらく歩かなければならない。2018年の夏は猛暑だったため、夏に来ていたら地獄だっただろう。
駅からしばらく歩いて、以前通った清水寺への分岐点に辿りつく。信号と道が面倒な場所である。ちなみに、この信号付近にある建物でトイレを借りたのは良い思い出だ。
清水への坂道は道幅が狭く、車通りが割と多い。ゆっくりと歩きたい私は、別ルートから行くことにした。
信号を渡って、別ルートにある階段を上っていくと
どうやら道を間違えたらしい
まぁ、距離もそこまで歩いてないしレストランがあるみたいなので、ついでに昼食を食べる事にした。食べたのは湯葉という豆腐?である。舌触りが滑らかで、味もわずかに甘みがある上品な感じの豆腐だ。天丼はちょっと雑だったけど
食事をして、改めて周囲を見渡す。寺の中には抜け道がなさそうに見えるので、元来た道へ戻る。
戻っている途中に清水寺へ向かうっぽい道を発見し右折する。
地図は確認しない。時間は腐るほどある(フラグ
良い感じに坂道を上る。『これは人も少ないし、中々良い道を見つけたなぁ』と、思いながら歩いていると、徐々に道幅が狭くなり雲行きが怪しくなってきた。
そして
お、おぉ、、、お墓
墓地があった。また道を間違えたのだろうか、でもお墓は清水寺関係っぽいし、たぶんつながるだろう!と、一人旅なのを良い事に気楽に進む。
すると、狭い道で外国人カップル(たぶん)が何やら話していた。
見てわかる
この人たち、道に迷ってる
周囲には私しかおらず、民家も少ない。と、なれば
スイマセン、清水寺はコノ道デスか?
ですよね
別に外国人が苦手と言う事はない。一人旅をしているので、むしろ観光地では道案内に写真撮影に、とにかく話しかけられることが多い。だから慣れている方だ。問題なのは私も迷っているということだろう。
すいません、私、地元じゃないので、わからないです。私も、迷ってます
oh…
Ohって、本当に言うんだね
とはいえ、ここで引くのも流石に駄目だろうと思い、なんとか案内しようと思ってスマホを取り出してマップ起動する。
あっ(察し
マップが簡略化されるレベルの道だった
っていうか、予定と全然違う位置にいたわ
どうやって説明しようか動揺しながらも、マップを見せながらどうにか話す
今ここです。清水寺はここで、あそこ(指さし)に建物が見えるので、この方向に進めばあるとは思います。
hum…
そうなるわな
一緒に行きますか?間違えたら一緒に戻りましょう
Oh!アリガトウゴザイマシタ!
伝わっているのか伝わっていないのか、いまいちわからない返答をもらったが、後ろに着いてきているので伝わったのだろう。
お墓の景色に何やら感動している二人の歩調を気遣いながら、私は進む。私の存在もあるためか、先ほどまでのトーンとは違って明るい声で話している。
おいおい、キミらの前を歩いている男も道に迷ってるんやで
この調子では、引き返すことになったらかなりガッカリするだろう。私は心の中で、どうにか着いてくれと願いながら進んだ。
お墓の道を進んでいくと、門のようなものが見えた。
!?清水寺!ありました!
私は安堵から来る笑顔で二人に伝える。
Oh!HAHAHA!アリガトウゴザイマシタ!
3人の心が一つになった瞬間である。
喜ぶ二人と「楽しんでください」と握手を交わしながら別れを告げる。
そして肝心の清水寺だが、補修工事が行われていたおかげでパッとしなかった。