2019年3月 宮崎県高千穂峰②-御鉢~山頂-

旅行記

御鉢というのは、高千穂峰の西側の斜面に接している噴火口の事で、高千穂峰山頂に向かう際に通る御鉢の縁(登山道)のことを『馬の背越え』と呼ぶ。

登山時
下山時:人の大きさと比較すると、スケールの大きさがよく分かる
下山時:御鉢の中

この日は山頂に薄っすらと霧がかかっており、この時点で山頂から見下ろす景色は良くないだろうと予想できた。しかし、『何が何でも天の逆鉾を撮ってやる』という意地があり、改めて山頂を目指すことを決意。

山頂までの傾斜はこんな感じである。今まで登ってきた火山岩むき出しの地面では無く、細かい砂のような地面となっている。

馬の背越えを少し下ると、山頂へ向かう前に鳥居がある。普段はそこまで祈願などをしない私も、今回の登山では積極的に頭を下げた。

最後の難関である山頂への道は、先ほどとは違い地面がサラサラしている。3歩進んで2歩ずり落ちる事がしばしばあるが、一応写真のように階段のようなものがあるので、それに助けられながら歩みを進めた。

また、20m置きくらいに山頂まで○○メートルという看板も設置されていたため、精神的にも落ち着いて登れたと思う。

滑らないように、ストックの先端のゴムを外して地面を突きながら歩いていると、地面から繊維状の何かが出てきた。ビニール紐が果てた様な見た目をしており、昔使用していた物だろうか?と手に取ってみるが、変に固い。指で転がしてみるが、細いプラスチックのような感じで形も崩れない。不思議に思っていると、指先に冷たさが伝わってきた。まさかと思って顔を近づけると

霜のような氷だった

地面に埋まっているそれを認識して、頭に浮かんだ言葉は何故か『永久凍土』だった。きっと「南極(永久凍土)の地面もこんな感じで、氷が混じってるんだろうなぁ」と思いたかったのだろう。この時は疲れていて、そこまで頭は回らなかったようだ。

歩き続けていると、前方に何かが薄っすらと見える。霧が濃すぎて良く見えないが、慌てずに近づいてみる。

山頂だった。霧が濃すぎて、静かで、変に神秘的で。疲れか、感動か、気付けば膝をついて写真を撮っていた。