畳ヶ淵

畳ヶ淵(萩市須佐)の六角形の岩が広がる河床と柱状節理
畳ヶ淵(たたみがふち)
六角形の岩が敷き詰められたような渓谷景観|萩市弥富

畳ヶ淵は、萩ジオパークを代表するジオサイトの一つ。約40万年前、新生代第四紀更新世に阿武火山群の伊良尾山から流れ出たアルカリ玄武岩の溶岩が、田万川に沿って冷え固まり、六角形を中心とする不思議な岩の景観をつくりました。 写真で見る以上に広い河床には、畳を敷き詰めたような岩と澄んだ流れが広がり、両岸には柱状の玄武岩がそそり立ちます。伊良尾山から続くこの溶岩流の跡は、地域で「竜が通った道」と呼ばれています。

畳ヶ淵について

畳ヶ淵を形づくっているのは、伊良尾山の噴火によって流れ出た溶岩です。高温の溶岩は、冷えて体積が縮む過程で規則正しく割れていきました。冷却面に対して垂直に生じた縦方向の割れ目を「柱状節理」、それと交わる横方向の割れ目を「板状節理」といいます。両岸にそそり立つ六角柱は柱状節理、河床に並ぶ平らな亀甲状の面は、柱状節理と板状節理が組み合わさって現れたものです。直径50~60cmほどの多角形の岩が整然と並ぶ姿が、畳を敷き詰めたように見えることから「畳ヶ淵」と呼ばれています。

現地へ降りてまず驚くのは、写真から想像する以上の広さです。規則正しい石畳のような河床、透明な水、両岸の岩壁、森に響く水音が一つの空間に収まり、目に入った瞬間に強い迫力で迫ってきます。一つずつ見どころを探して徐々に味わうというより、最初の衝撃と余韻の中で全体を楽しむような場所です。橋を渡って左手の奥へ進む手前には、玄武岩の柱と「天保十一年」の刻字が残り、その前に竜神社の祠が祭られています。『須佐町誌』には、かつて病気平癒を祈願し、願いがかなうと畳ヶ淵へ鯉を放したという伝承も記されています。現在は生態系を守るため、生き物を持ち込んだり放したりしないでください。

見学時は安全を最優先にしてください。畳ヶ淵は、ありのままの川に近い場所です。入口で川を渡る細い金属製の橋は、両側がロープになっているため、一人ずつ慎重に渡りましょう。岩は水や湿気で非常に滑りやすく、澄んだ水でも川底が見えないほど深い場所があります。特に橋を渡った左手奥の淵には近づきすぎないでください。水音で声が届きにくいこともあるため、落水につながる行動は避け、子どもから目を離さないようにしてください。雨天時や雨上がり、増水時、積雪・凍結の恐れがある日は見学を控えるのが安全です。周囲に照明はなく、野生動物が現れる可能性もあるため、夜間や日没前後には立ち入らず、必ず明るいうちに駐車場へ戻ってください。

意外と圧倒される

1. 石畳
石畳
写真で見る以上に広く、開放感のある河床。畳を敷き詰めたような岩と清流が一度に目へ飛び込み、到着した瞬間から自然の造形に圧倒されます。水たまりや湿った岩は滑りやすいため、避けて歩きましょう。
2. 深い
深い
水は美しい青色に澄んでいますが、場所によっては川底がまったく見えません。流れが止まったように見える淵ほど深い可能性があります。縁には近づかず、撮影時も足元から目を離さないでください。
3. 柱状節理
柱状節理
溶岩が冷えて縮むとき、冷却面に対して垂直に割れてできたものが柱状節理です。両岸に並ぶ玄武岩の柱は、畳のような河床がどのような構造からできているのかを見せる「畳ヶ淵の断面」ともいえます。

アクセスと周辺マップ

畳ヶ淵は、萩市須佐地域の弥富下にあります。 JR須佐駅から車で約20分(目安)。 国道315号沿いにある、縦長の「竜が通った道」の案内看板が最初の目印です。山口方面から須佐方面へ北上する場合は右側、須佐方面から山口方面へ南下する場合は左側に見えます。矢印に従って県道14号へ入り、道なりに進んでください。

県道14号と県道124号が合流する大きな四差路では、胸の高さほどの小さな案内看板に従って右へ進みます。県道124号を道なりに走ると、右手に案内パネルのある開けた駐車場が見えてきます。周辺には店舗などの大きな目印が少ないため、カーナビやGoogleマップとの併用がおすすめです。駐車場から畳ヶ淵までは片道徒歩約5分。緩やかな坂道と階段を下り、途中の公衆トイレを左に見ながら進むと川へ出ます。森の中は枯れ葉や湿気で滑りやすいため、歩きやすく滑りにくい靴で向かってください。階段があるため、ベビーカーでの移動には適していません。

  • :JR須佐駅から約20分(目安)
  • 徒歩:駐車場→畳ヶ淵 片道約5分/現地見学を含め約25分
  • 駐車場:あり(無料)
  • トイレ:あり

※ 所要時間はあくまで目安です。道路状況や天候により変動します。