須佐地古墳

須佐地古墳の竪穴式石室
須佐地古墳
5世紀頃の竪穴式石室|萩市田万川地域

萩市田万川地域にある、5世紀頃に築かれたと考えられている古墳です。 1981年(昭和56年)6月15日に旧田万川町の指定文化財となり、現在は田万川コミュニティセンター近くの町営墓地内、山の斜面に近い場所でひっそりと保存されています。

須佐地古墳について

須佐地古墳は、鉄製農具の普及や土木・建築技術の伝来によって、全国的に耕地が広がっていた5世紀頃に築かれたと考えられています。 約1500年前の田万川地域を現在に伝える古墳です。

本来はJR山陰本線の線路に近い丘の上にありましたが、長年にわたる雨風の浸食を受け、崩壊寸前の状態になっていました。 そのため1971年(昭和46年)7月に発掘調査が行われ、調査後に現在の場所へ移築されました。

現在は町営墓地の奥、山の斜面に近い一角にあり、低い柱と鎖で囲んで保存されています。 華やかな観光地ではありませんが、案内板と石室を見ながら、静かな墓地の中で古代の歴史に思いを巡らせることができます。

詳細説明

県内に現存する唯一の竪穴式石室

須佐地古墳は、この種類の石室として山口県内に現存する唯一のものとされています。 石室は長さ約3.5m、幅約0.5〜0.8m、深さ約0.7mの竪穴式石室です。 側壁は河原石を積み、その上に割石を小口積みにして造られています。

床面と妻石に見られる特徴

床面には小礫が敷かれ、中央部をくぼませた割竹のような形状になっています。 また、石室の妻石に箱式石棺の手法が使われていることも特徴です。 発掘調査の際、内部はほぼ完全な形で残っていましたが、副葬品は見つかりませんでした。

外観と案内板を静かに見学

現地では古墳の周囲に低い柱と鎖が設けられているため、内部へ入るのではなく、外観と案内板に描かれた断面図を見学します。 背の低い石室は墓地と山の斜面の間に目立たない姿で残されており、大きさや華やかさよりも、その静かな佇まいが印象に残ります。 墓地に眠る方々へ配慮しながら、古代の人々や、この地に残る歴史のロマンへ静かに思いを巡らせたい場所です。

アクセスと周辺マップ

須佐地古墳は、国道191号から田万川コミュニティセンター方面へ入り、近くの町営墓地を奥まで進んだ場所にあります。 墓地へ入る道は非常に狭く、入口も分かりにくいため、初めて訪れる場合は明るい時間帯に向かうのがおすすめです。

  • 鉄道:JR山陰本線「江崎駅」から徒歩約15分
  • :国道191号から田万川コミュニティセンター方面へ曲がり、最初の分岐を左へ進みます
  • 墓地への道:渡り廊下のような構造物を過ぎ、右側にある最初の細い上り坂へ入ります
  • 墓地内:右前方の階段を上り、墓地の間を直進。奥の広い場所に突き当たったら左へ進みます
  • 駐車場:専用駐車場はなく、墓地付近は車1台でも方向転換が難しいほど狭い場所です

車で訪れる場合は、田万川コミュニティセンターの職員の方へ声をかけ、了承を得たうえで敷地内に駐車させてもらい、徒歩で向かうのが理想です。 墓地内では静かに見学し、山際のため野生動物や夏場の虫にも注意してください。早朝・夕方・夜間を避け、朝から昼の明るい時間帯に訪れると安心です。