道永の滝は、萩市弥富下にある、三段・落差約70メートルの滝です。 伊良尾山の山麓から湧き出した清水が流れ、及谷川の東西に分かれた上流の流れは、合流して田万川へと注ぎます。 地域で親しまれてきた景勝地で、県内でも滝のすぐそばまで近づき、水しぶきを間近に感じられる貴重な場所です。
道永の滝について
道永の滝へは、道路沿いの入口から遊歩道を歩いて約5分です。 階段は約6か所あり、段差は目測で約10~15センチ。 最も長い箇所では約30段が連続するため、短い距離でも足元を確かめながら進みましょう。
木々に囲まれた滝は最上部が見えにくいものの、岩肌に沿って分かれる水の流れが繊細で美しく、 遊歩道の先に姿が現れた瞬間には、思わず足を止めたくなる迫力があります。
駐車スペースは入口の道路を挟んだ向かい側にあり、普通車約5台分が目安です。 未舗装で、ぬかるんでいる場所もあります。トイレはないため、訪問前に済ませておきましょう。 見学や撮影時の詳しい注意点は、下の「詳細説明」で紹介しています。
詳細説明
弥富地区の暮らしを支える水源
道永の滝の水源は、阿武町福田上・大平地区にある伊良尾山の山麓の洞穴から湧き出す清水です。 現地案内板によると、一年を通して水温の変化が少なく、約14℃の水が流れています。 この水は及谷川を流れ、東側の別の水源から来る流れと合わさり、下流の田万川へと注ぎます。
地域の資料には、弥富地区ではかつて水質に問題があり、家によっては井戸を2~3回掘り替えた事例もあったと記されています。 伝染病の発生率も高かったとされ、安心して使える水の確保は、長年の課題でした。
昭和33年度には、農山漁村建設総合対策の予備計画地域への指定を契機に、水問題への対策が取り上げられました。 また、昭和53年には弥富簡易水道の水源をさらに確保し、給水人口も増加したと記されています。 道永の滝の水源となる豊富な湧き水も、弥富地区の簡易水道の水源として紹介されており、 滝を含む及谷川の水系は、景観だけでなく、地域の暮らしを支える大切な存在でもあります。
洞穴に伝わる山伏と黄金の茶釜の伝説
滝壺のそば、滝の左側には洞穴があります。 戦国時代、陶晴賢の残党が山伏となってこの地へ逃れたと伝えられ、 その子孫である市高吉之兵衛の修験の霊場であったとされています。 洞内には、大山祇神と四国石鎚山の波切不動明王が祀られています。
市高吉之兵衛が、この洞穴に黄金の茶釜を隠したという伝説も残されています。 木々に囲まれた滝と洞穴の景観には、自然の美しさとともに、地域に受け継がれてきた山岳信仰の一面も感じられます。
周囲は木々が茂って薄暗く、洞穴の内部にはさらに光が入りにくくなっています。 祀られた像などを撮影する場合、スマートフォンでも明るさの調整が必要になることがあり、 カメラでは三脚があると撮影しやすいでしょう。
見学・写真撮影と足元、野生動物への注意
遊歩道では右側を及谷川が流れ、湿った木々や落ち葉の香りを強く感じます。 訪れた県内の自然スポットの中でも、特に森の香りが印象に残った場所です。 一方で、道には落ち葉が多く、湿気や苔もあるため、足元に十分注意してください。 「転倒注意」の看板もあり、滑りにくい靴で、急がず歩くことをおすすめします。
6か所目の階段を上がると、洞穴や滝のすぐ脇へ着きます。 柵のある場所から滝を間近に眺め、水しぶきを感じられますが、濡れた足元には注意が必要です。
滝を正面から撮影したい場合は、5か所目と6か所目の階段の間にある、右側の手すりの切れ目が目印です。 そこから約10段の階段を下ると、川の手前側に撮影できるスペースがあります。 下は未舗装で岩が露出し、草や苔もあるため、足元を確認しながら降りてください。
及谷川の向かい側にも階段と広場のような場所が見えますが、訪問時には、渡るための飛び石が崩れていました。 自然の岩を伝って渡ろうとすると、非常に滑りやすく、転倒や機材の水濡れにつながります。 対岸へは渡らず、川の手前側で見学・撮影してください。 手前側のスペースからでも、十分に滝を正面から撮影できます。
また、周辺ではクマの出没を知らせる情報もあり、野生動物への備えが必要です。 スズメバチやイノシシ、サル、マムシなどにも注意してください。 私自身はこれまで4~5回の訪問でこれらの動物を見ていませんが、人通りの少ない山中です。 単独での訪問は避け、複数人で訪れることを強くおすすめします。 訪問前には自治体などの最新のクマ出没情報を確認し、クマ鈴などを用意して、会話などで人の存在を知らせながら歩きましょう。
アクセスと周辺マップ
道永の滝へ向かう道は狭く、ナビでは通りにくい経路へ案内されることがあります。 実際に通った、案内看板を目印に進める次のルートをおすすめします。 このルートにも車1台分ほどの幅しかない区間があるため、対向車に注意してゆっくり進んでください。
① 国道315号から県道14号へ
山口市・国道9号側から北上する場合は、道路右側の「龍が通った道」や周辺の滝・景勝地を示す案内看板を目印に右折します。
須佐側から南下する場合は、同じ分岐を左折し、県道14号へ入ります。
② トンネルの手前で右折
県道14号を道なりに進むと、正面にトンネルが見えます。
公民館付近にあるトンネル手前の交差点を、畳ヶ淵・猿屋の滝方面の案内看板を目印に右折し、県道124号へ進みます。
③ 「やまびこ」を目印に右折し、突き当たりを左折
県道124号へ入った後、右へ分かれる道の二つ目を右折します。
「デイサービスやまびこ」の白い建物と、建物の「やまびこ」の表示が目印です。
建物の脇を通り、坂を下った先のT字路を、正面の「道永の滝」の案内に従って左折します。
④ 次の「道永の滝」の案内で右折
狭い道を進むと、右へ分かれる道に「道永の滝」の案内があります。
看板に従って右折し、すぐ先の橋を渡って、左前方の道へ進んでください。
⑤ 山中の道を道なりに進む
その後は、杉林などを通る道をしばらく道なりに進みます。
途中から左手に及谷川が見え、滝に近づくとガードレールのない区間もあります。
道路右側に「道永の滝」の看板と階段が見えたら到着です。駐車スペースは、その道路を挟んだ向かい側にあります。
- 車:JR須佐駅から約20分が目安
- 徒歩:入口から滝まで約5分
- 駐車場:入口向かいに約5台分・未舗装
- トイレ:ありません
※ 駐車後は道路を渡り、看板のある階段から遊歩道へ進んでください。 分岐ではナビだけに頼らず、現地の案内表示を確認しましょう。