報知機

現在、台風5号フィリピンの東海上にあるらしい。仕事の休憩中に流れるニュースを見て、そろそろ台風のシーズンだなぁと実感。それと同時に、私のトラウマが引き起こされる。

2・3年前、入浴中に台風の風によって停電したことがある。停電自体は全く恐怖を感じないので、特に気にすることも無く入浴を続けていた。停電は5分で復旧。炊飯器をつけていたことを思い出し『あ~、御飯、鍋で炊き直すかなぁ』なんてボンヤリしていると、突然

「○×α%△&#$□」

台所の方から女性の声がした。

『ん?』と思いつつ、その時は隣の家の人かな?と考えた。

お風呂から上がってリビングでくつろいでいると、再び停電。そして、すぐさま復旧。『またか』と多少うんざりしながらも、長く停電した際の冷凍庫の対策を考える。が、その瞬間

「停電になりました」

いきなり台所の方から発せられる、無機質な女性の声

けぇ
けぇ

っ!!!???

声にならない声で驚く私。こういうビックリ系にめちゃくちゃ弱いのだ。一気に鳥肌が立ち、台所を見つめたまま体が硬直する。恐る恐る声のした場所を確認すると、そこには火災報知機が。

コイツか

何という性能だろうか。律儀に停電を教えてくれるとは。感動した。超迷惑。っていうか、停電したことを知らせるなら、「何時間前に停電しました」ってどこかに表示した方がいいだろ。仕事でいなかったら誰がその声聞くんだよ。と報知機を眺めた。

それ以降、私は停電になる度に冷静に外へ出る。寝ている最中であれば、そのまま駐車場に停めてある車で車中泊をする。その落ち着いた行動といったら、押さない・走らない・しゃべらない避難訓練三原則を忠実に守っている。しかも、これは訓練では無い。もはや実践と言っても過言ではない。

まぁ誰も居ないから押せないし、家の中だから走れないし、一人だからしゃべらないよね

けぇ
けぇ

はい

もう本当に、誰かあの声を解除して