学生にとっては一年で一番テンションが上がる夏。社会人にとってはただ暑いだけの夏。皆さん、暑い中今日も一日お疲れ様です。
さて、夏といえば何を思い浮かべますか?スイカ、そうめん、海、かき氷、、、結構あるな・・・私はカメラをやっているので、花火が好きです。中でも、煙があまり出ずに暗闇に浮かぶように撮れる線香花火が大好きです。線香花火といえば、最後にグズグズとした火の玉が火花を散らす様がとても印象的ではあります。日本人の共通認識みたいなものですね。ただ、その線香花火も案外種類があるのを御存知でしょうか?
夏が始まる今だから知っておきたい、国産線香花火
花火というのは法律用語では煙火と呼ばれており、光、音、煙、形状の4つで構成され、火薬類を燃焼あるいは爆発させることで発生させます。線香花火はがん具花火に分類され、火薬量は0.5グラム以下とされています。(日本煙火協会『花火入門:平成28年度版』より引用)
また、線香花火の燃え方には4段階の名称があり、
①牡丹:火薬が燃えて縮み上がってできる赤い火の玉ができるまで
②松葉:勢いよく火花がはじける段階
③柳:松葉から散り菊に移るまでに若干火力が落ちている段階
④散り菊:最後の最後に赤い玉からパチッパチッと火花が出ている状態
と言われています。
さぁ、ここまで前置きが長かったですが。いよいよ実際の線香花火を見てみましょう。使用したのは7種類(+おまけ)の国産線香花火で、楽天市場でセットで買いました。
レビューは花火の持続時間、揺れに対する持ち手や火球の安定感、火花の広がり具合で書いています。ちなみに、風が吹いていたのでしおりの部分を持ってやっていません。
牡丹桜(製造元:株式会社三州火工)

【ISO】800【露出】1/15sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約30~40秒
- 安定感:持ち手は細いが火球は安定しており、少しの風は大丈夫
- 広がり:大
素人目でも、先に述べた4段階が非常にわかりやすい。松葉は割と激しく、その後の柳との緩急がはっきりしている。
純国産線香花火(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/10sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約70~80秒
- 安定感:持ち手は太く火球も安定しており、少々の風でも大丈夫
- 広がり:小
圧倒的な持続時間で、かなり持ち手の上部まで燃焼を続ける。松葉は短く大人し目で、柳や散り菊に重点を置いている印象。
不知火牡丹(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/2sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約45~55秒
- 安定感:持ち手は細いが揺れにくくしっかりしている
- 広がり:大
松葉は少し短く、散り菊が長い印象。落ち着いた雰囲気の花火。
国産線香花火(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/5sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約25~35秒
- 安定感:持ち手は細く、風が吹いている時は揺れて火球が落ちやすい
- 広がり:中
松葉の広がりに対して火花の量は少ないため、まさに線香花火といった写真が撮りやすい。松葉の時間は少し短いため、写真を撮る際は連射がオススメ。
東の線香(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/5sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約25~35秒
- 安定感:持ち手は細めだが硬い、揺れにくい
- 広がり:中
持ち手の細さに対してハッキリとした火球が形成されるが、持ち手が硬いため揺れにくい。松葉の時間は少し短いため、写真を撮る際は連射がオススメ。
西の線香(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/8sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約40~50秒
- 安定感:持ち手が木で出来ているため、揺らさないと揺れない
- 広がり:中
斜め上に向けて持つという異色の線香花火。上向きにするよう注意書きは入っているが、それを見なかった場合は着火して10秒以内に火球が落ちると言う悲惨な目に会う。松葉は短く、柳と散り菊が長い。
国産線香花火 巧(製造元:筒井時正玩具花火製造所)

【ISO】800【露出】1/6sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約25~35秒
- 安定感:持ち手はしっかりしており、揺れにくい
- 広がり:小
かなり大人し目な花火。柳を中心に撮りたい場合はオススメ。
可憐(おまけ)

【ISO】800【露出】1/6sec【F値】5.6【焦点距離】300mm
- 持続時間:約25~35秒
- 安定感:火球の大きさに対して、持ち手が細く揺れやすい
- 広がり:中
有勝堂さんの御厚意でおまけとして入っていた花火。製造会社を調べてみようと思ったら、袋を捨てて無かった。。。火花がきめ細かく、その名に恥じぬ可愛らしい花火だった。
いかがでしょうか?一口に線香花火と言っても、それぞれ特色が違っていたかと思います。私は、子供のころは線香花火よりもシャーって出るやつが好きでしたが、大人になって線香花火の良さが何となくわかった気がします。騒がしいだけが夏ではありません。静かな夜の演出に、皆さんも線香花火をどうぞ。